Faith

恋愛詩がメインのブログです。お気軽にお立ち寄りください(^^)。

わだつみ

深い 遠い 海の中で 白い花を見た

暗い底へと眠るように落ちながら いくつもの花が

僕のまわりに咲いていた


それは友の声か それとも愛する人なのか


大きな悔しさと悲しみで どこか諦めながらも 残った想いは

時を越えても尚 僕の中で叫び続けた


守りたかったもの 還りたかった場所

僕が君に語りたかった あの戦場の海の真実

“君を守る“

というプライドだけが僕を支え続けていた

深く深く落ちてゆきながら 僕は自分に呪いをかける

“君を守れなかった” “何もできなかった”



時を越えて陸(おか)に上がった僕は 海を恐れて潜ることもできない

自分を否定してしか 生きてゆけない

あの日落ちてゆく僕の周りに咲いていたのは

白い 白い 人の骨

君に一番知られたくなくて 君に一番伝えたかった


僕の戦争が終わらない・・・

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病棟のひと〜認知症のあなた〜

白いパイプベッドの上で 毎日同じ空を見ていたのに

一日一日 訪れる朝は あなたにはいつも初めての一日

”おはよう” と声をかけると

ぼんやりと眠そうな声で応え でも笑顔を見せてくれたよね

そんなあなたに僕は どこか父を重ねて見ていたのかもしれない



”自分は鬼中尉でありました!”

ある日大きな声でそう叫んで 

背筋を正したあなたは

いつもの優しい顔とは違って 昔この国のために戦った

一人の若い兵士の姿になってました

あなたと戦争の話になると いつも止まらなくて

その誇り高き軍人時代を やっぱり大きな声で胸張って・・・

同じ病室のひとを 驚かせていたっけね



今日が何月何日で

どうして自分がここにいるのかわからなくて

自分の部屋も忘れてしまうあなただけど

どういうわけか

あの大戦の記憶だけが鮮明に

老いたあなたの魂を呼び起こすのが・・・

僕は笑顔で聞きながら

いつも悲しくて仕方ありませんでした



あなたと別れのあの朝に

僕はその枯れて細くなった手を握り ”ごめんね” とつぶやいた

あなたはその日も軍人の顔で ”頑張りなさい” と 僕を見つめた

僕は不覚にも言葉を失い

あとからあとから止まらない涙を ぬぐうこともできず 笑って見せたよ

そうして自然に右手が動き

あなたに向かって初めての敬礼

厳しい顔のあなたもまた 静かに右手をかざしてくれました




今は遠い星になったあなた

僕は大切なことを言い忘れてましたよ


”もう戦争は終わりました  あなたの戦争は終わったんです”



ねぇ おじいさん

まもなく開く桜の花は見えるでしょうか?

今年も平和を誇る桜の花は

あなたの戦争の終わりを告げてくれますか?

おじいさん

あなたの今いる場所は幸せですか?

そして何処より平和ですか?


平和ですか・・・・・?

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亡き人へ

季節と共に 思い出はあり

新しい春が巡る度

その一年もまた貴方と共に過ぎてゆきます


この世界から旅立った貴方だから

僕はただ純粋に貴方を愛し続けられます

何も求めることはなく

ただ

この美しい四季の中に

貴方の心をひとつ

またひとつと見つけながら

貴方に愛された自分を拾い上げて

日々を歩いてゆけるのです


貴方は死に・・・・

僕は生き・・・・

貴方の記憶を紡ぎながら

いつか貴方の場所に還る日まで

僕はこの世界を歩き続けてゆきます
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ジグソーパズル

ひとつなぎの

一枚の絵ではなくて

たくさんのピースをつないでできる絵だから



君の世界はおもしろい
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君は似て

その純粋さは 水晶の透明に似て

その儚さは 小さな名もない花に似て

その優しさは 早春の風に似て

その涙は 秋に降る雨の匂いに似て

その存在は 月の光に仄かに輝いている


そうか

君はこの惑星(ほし)に特別愛された存在なんだね
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